テレワークでは従業員それぞれが違う場所で働くため、スケジュールやタスク、心理状態など、多くの要素が見えにくくなってしまいます。その結果、業務の配分や進捗の共有が難しくなり、生産性が低下することも。
そんな時に実施していきたいのが「業務の見える化」です。業務の見える化を進めることで、テレワーク中でもスケジュールやタスクの共有が容易になり、業務の効率化を図ることができます。
今回は、業務の見える化の方法や重要な項目、注意すべき点についてご紹介します。
生産性向上できるテレワーク時の業務の見える化とは
「業務の見える化」とは、チーム内でそれぞれの業務が「いつ」「どこで」「どのように」行われているかを可視化することをいいます。業務の見える化には、主に2つの目的があります。
業務の見える化の目的① 業務改善
1つ目は、業務の無駄を明らかにし、生産性を向上させることです。
各々の業務が見えづらくブラックボックス化してしまうと、どこに無駄があるかが発覚しづらい状況になってしまいます。
プロジェクトの進捗やプロセスを可視化することで、改善が必要な部分を特定しやすくなり、結果として生産性の向上が期待できます。
業務の見える化の目的② リスク回避
2つ目は、緊急時のリスク回避です。
従業員が業務中にトラブルを起こした場合、進捗やスケジュールが把握できないと、上司や同僚が適切に対応することが困難な場合も。
業務が見える化されていれば、チームメンバーの動きを即座に把握し、迅速なカバーができます。
特にテレワーク環境では、従来のオフィスワーク以上に細かな管理が求められます。勤怠状況やタスクの進行具合、1日の作業内容などを詳細に可視化することが、テレワークの業務においてとても重要です。
見える化するべき項目
テレワークの生産性を上げるために見える化すべき項目は、主に「スケジュール」「タスク」「勤怠状況」「気持ち」の4つです。それぞれ解説していきます。
スケジュール
業務の見える化において、スケジュールの可視化は非常に重要です。
特にテレワークでは、社員の働きぶりを直接確認できません。スケジュールを見える化することで、各メンバーがどのようなタスクに取り組んでいるか、作業の進捗状況や休憩時間の把握ができるようになります。
これにより、他のメンバーが特定の時間帯で忙しいかどうかを把握でき、適切なタイミングでの声かけやサポートがしやすくなります。
タスク
各メンバーの担当タスクの内容、優先順位、進捗状況を見える化することで、特定の社員に業務が集中するリスクを避けることができます。
また、急な業務が発生した際でも、他のメンバーの余裕を把握できるため、柔軟な対応が可能となります。
さらに、タスクの進捗状況が一目でわかることで、上司が細かく確認する手間が減り、本業務に集中できるというメリットもあります。
勤怠状況
オフィスに出社しないテレワークでは、従業員の出勤や退勤、休憩などの状況を把握することが難しくなります。
そのため、就業時間後に業務を続けてしまう「隠れ残業」があっても、在宅勤務だとなかなか発覚しづらくなってしまいます。
勤怠状況を見える化することで、実際の作業時間や勤務タイミングを正確に把握でき、長時間労働の是正や適切な休憩の確保が可能となります。
勤怠管理の見える化は、テレワークでの労働環境を健全に保つための基盤といっても過言ではないでしょう。
気持ち
社員の気分やモチベーションは、業務の効率や生産性に大きな影響を与えます。そのため、業務に対する気持ちやモチベーションの状態を見える化することも重要です。
日々の業務における感情や気持ちを見える化することで、上司は部下のメンタルヘルスを把握しやすくなります。
ただし、感情面の見える化はデリケートな部分でもあるため、気軽に感情を伝えられるツールの活用や、オープンに気持ちを共有できる人間関係の構築も重要となってきます。
業務を見える化するメリット
見える化を進めることで多くのメリットが得られますが、ここではおもに3つの観点でメリットを紹介していきます。
人事評価に役立つ
テレワークや在宅勤務では、上司が従業員の働きぶりを直接確認することが難しく、成果物だけの評価が増えてしまいます。
しかし、業務プロセスを見える化することで、上司は従業員の実際の働きぶりや進捗状況を正確に把握でき、評価の判断材料として加えることができます。
従業員にとってはより一層「頑張りを認められた」と感じられ、納得感のある評価になるでしょう。
仕事量の調整・ボトルネック解消
テレワーク環境では、従業員が抱えるタスク量や進捗状況を把握しづらく、業務が一部の従業員に偏ることがあります。
業務の見える化を進めることで、誰がどの程度の業務を抱えているのかが一目でわかり、負担の偏りを解消するための適切なタスク分配が可能です。
また、進捗の遅れやボトルネックを早期に発見し、迅速に対策を取ることができ、生産性の向上にも繋がります。
業務効率化
各メンバーのスケジュールや業務の進め方を見える化することで、無駄なプロセスを明確にし、迅速に改善策を講じることが可能です。
たとえば、本来短時間で終わるはずの作業が長引いているといった問題が見つかれば、得意な人に業務を任せるなどの対策が考えられるでしょう。
ほかにも、上司の決裁の待ち時間が長引いていて進捗が遅れがちであることがわかれば、決裁プロセスの効率化を検討できます。
特に在宅勤務では、業務の進行が個々の従業員に依存しやすく、生産性が低下する傾向があります。そのため、業務効率化のためには業務の見える化を進めることは非常に不可欠です。
テレワーク時の業務を見える化する方法
それでは、実際に業務の見える化を進める方法を紹介していきます。
ツール導入
業務の見える化を効果的に行うためには、適切なツール導入が欠かせません。
特に、テレワーク環境では業務の進捗やコミュニケーションが見えづらくなるため、オンラインツールを活用し不足を補うことが求められます。
例えば、プロジェクト管理ツールやタスク管理ツールは、タスクの割り当てや進行状況を一目で確認でき、業務のボトルネックを素早く特定するのに役立ちます。
また、チャットツールやビデオ会議システムを併用することで、コミュニケーションの円滑化も図れます。
ただし、すべてのツールを無闇に導入するのではなく、目的に応じた機能を持つツールを選ぶことが重要です。各ツールの特性や機能を理解し、自社に最適なツールを導入することで、業務の効率化とスムーズな運営が期待できるでしょう。
業務の見える化におすすめのツールは？
業務の見える化を進める際には、社員の仕事の進め方が”見える”業務可視化ツール「リモシア」の導入がおすすめです。
リモシアを使えば、各社員のタスク進捗やスケジュールが一目で確認できるため、業務全体の管理が容易になります。また、SNS風の入力しやすいUIにより、気持ちの変化や困ったことを簡単に記録できる設計になっています。
さらに、ワンクリックで完了する勤務開始・終了ボタンを備えており、勤怠管理もスムーズ。
業務の「今」をリアルタイムで把握し、仕事量の調整も簡単に行えます。
ルールの整備
業務の見える化を進めるには、明確なルールの整備が不可欠です。
特にテレワークの環境では、報告や連絡のタイミングが不明確になることが多く、業務の進捗やタスクの把握が難しくなります。
これを解決するためには、報告の義務化や報告の内容、タイミングを具体的に定めたルールの作成が効果的です。
また、ルールを整備する際には、従業員同士や上司と部下の関係性を重視し、互いのストレスを最小限に抑える配慮も重要です。
行き過ぎた監視を防ぐために、タスクやスケジュールの入力をルール化し、管理者がいつでも状況を把握できる仕組みを整えることが推奨されます。
コミュニケーション文化を整備
見える化を推進する際に忘れてはならないのが、コミュニケーション文化の整備です。特にテレワーク環境では、コミュニケーション不足が問題となりやすく、従業員が孤立感を抱きやすくなります。
これを防ぐためには、ビジネスチャットやビデオ会議を通じて、気軽に質問や相談ができる環境を整備することが重要です。
また、過度な監視を避け、メンバーが自発的にコミュニケーションを取りやすい環境を整えることも重要です。業務の透明性を保ちながら信頼関係を築き、ストレスの少ない職場環境を実現するためのコミュニケーション文化を構築しましょう。
業務を見える化する際の注意点
業務を見える化するにあたって、いくつか注意すべきポイントがあります。それぞれ見ていきましょう。
目的の明確化
業務の見える化を成功させるためには、まずその目的を明確にすることが不可欠です。
目的が曖昧だと、見える化が単なる「監視」として受け取られるリスクがあり、従業員のモチベーションを損なう可能性があります。
たとえば、在宅勤務でのコミュニケーションを活性化することが目的であれば、そのためのツールや手段を適切に選定し、メンバーにその意図をしっかりと伝える必要があります。
明確な目的を共有することで、従業員は積極的に業務改善に取り組むようになり、全体としての効率化も期待できるでしょう。
定期的な効果検証
業務の見える化は、ツールやルールを導入するだけでは完結しません。
見える化の効果を継続的に検証し、必要に応じて改善していくことが求められます。
定期的な効果検証を通じて、見える化による成果や問題点を明らかにし、データに基づいた改善策を取ることで、業務の効率化や生産性の向上を図ることが可能です。
従業員のフィードバックや業務データを活用し適宜振り返りを行うことで、見える化が形骸化せず、実際に効果を発揮し続けるようにすることが大切です。
業務の見える化 まとめ
業務の見える化は、チーム内で各メンバーの業務プロセスを「いつ」「どこで」「どのように」行っているかを明確にすることを指します。目的は主に業務改善とリスク回避の2つです。
特にテレワークでは、オフィスワーク以上に「見える化」を意識することで、業務の生産性向上が狙えます。
見える化すべき項目は主に「スケジュール」「タスク」「勤怠状況」「社員の気持ち」の4つです。
業務の見える化を進めるには、「リモシア」のような可視化に特化したツールを導入したり、明確なルール整備を実施することが重要です。
また、業務の見える化の目的設定や定期的な効果検証を忘れずに行いましょう。
Comments